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ながさきの森林(もり)

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樹木の葉・・・広葉樹と針葉樹

11月20日付けの「森林の放射能汚染と除染(1)」で樹木の葉について触れました。
樹木には、広葉樹と針葉樹があることはよく知らていますが、その双方の葉が実際にどのようなものか、私の偏見で選んだ樹木で葉を見てみましょう。
なお、この記事は小学生程度を対象に書いていますので、大人の方には当たり前の部分も多くて失礼かと思いますが、お許しください。

まず、広葉樹です。

ブナ
ブナ(落葉広葉樹)

ブナは代表的な落葉広葉樹です。冬には葉が落ちるので、落葉樹です。
広葉樹の葉の典型で、幅が広く葉脈が中央に一本通っていて、両側に魚の骨のように数本の筋が分かれています。
この葉脈を通って水や養分がすみずみに運ばれます。

ヤブツバキ
ヤブツバキ(常緑広葉樹)

ヤブツバキは常緑ですので、冬場に葉が落ちてしまうことはありませんが、常緑樹と言っても葉が落ちないわけではありません。年間を通して少しずつ葉が落ちて新しい葉と入れ替わっています。形や葉脈の形態は基本的に落葉広葉樹と同じです。落葉樹に比べ葉の厚さは通常厚いですね。

因みに、ヤブツバキは、温暖な地域の海岸近くに多く生育しており、長崎県でも県内のいたるところで見られますが、特に五島列島をはじめとする島々に多く、実からツバキ油が絞られます。
長崎県のツバキ油は五島列島でそのほとんどが生産されますが、生産量は東京都(大島椿)と全国1位を競っていることはあまり知られていません。このところ、長崎県と東京都とが一年おきに1位を取っているようです。これは、実のなる樹木に共通しますが、ツバキの実も、豊作の年と凶作の年が隔年で訪れますので、豊作の県(都)が1位になるということです。

次に針葉樹です。針葉樹は針のような葉を持つのでこの名前があります。では見てみましょう。
まずは、針葉樹の代表格、松です。

クロマツ
クロマツ(針葉樹)

写真で葉先が欠けてしまいましたが、九州で松と言えばクロマツで、お正月の飾りには欠かせませんので、よくご存じですね。葉は針状で、先は鋭くとがっています。
アカマツも形状はほぼ同じですが、幹が赤茶っぽく、クロマツより寒冷地(緯度が高いor標高が高い)に生育し、マツタケ(松茸)は赤松林に発生します。

トドマツ
トドマツ(針葉樹)(北海道大学樹木園で撮影)

トドマツやエゾマツは九州にはありませんので、私も北大の樹木園で初めて見ました。
短い針状の葉が密に着いています。先っぽの黄緑色は新芽です。
針葉樹も枝の下の方から落葉し、枝先に新芽が伸びていきます。

スギ
スギ(針葉樹)

九州での人工林(人が人為的に造った林)のほとんどがスギ林です。天然林では、屋久杉と呼ばれる屋久島のスギは有名ですね。
スギの葉も針状ですが、短くて元の方がやや太くなってます。葉先は尖っていますが、やや内側にカールしていますので、手で掴んでもそれほど痛くはありません。

スギは花粉症の原因として忌み嫌われています(私も花粉症)が、最近、花粉が出ない(または少ない)品種が開発されて、植え替える取り組みが始まっています。写真の茶色の部分が雄花で、ここから花粉が放出されます。
杉は成長が早く、真っ直ぐな木材ができ、加工しやすく、日本建築に欠かせないので、他の樹種に代えられないのです。

ヒノキ
ヒノキ(針葉樹)

ヒノキは針葉樹ですが、葉は針の様な形をしていませんので、手で掴んでも痛くはありません。全体的に平べったく、鱗片状のエレメントの集合体になっていて、美しい幾何学模様を見せてくれます。
 ヒノキの木材は社寺(神社仏閣)の建築材として平城宮の時代(それ以前)から不可欠な存在です。西暦500年当時、機内地方には天然のヒノキ林が多く存在していましたが、遷都のたびに都の建設用材を確保するために伐採され、ヒノキの天然林は奥山林の一部を除いて無くなってしまいました。今あるヒノキ林は、その後植えて育てた人工林です。
日本人はヒノキの香りがが大好きです。ヒノキ風呂なんて憧れの的ですよね。
今、韓国ではヒノキブームで、日本から多くのヒノキを輸入しています。韓国では、日本統治時代に杉が植えていたようで点々と見ることができますが、ヒノキは見たことがありません。ヒノキから抽出した「ヒバオイル」は大変な人気です。ヒノキの香りは子供の頭を良くするとの評判です。教育熱心な韓国らしいですね。

ヒバ
ヒバ(針葉樹)これも北大樹木園で撮影

ヒノキの仲間で、ヒノキによく似ていますが、九州にはない北の樹木です。
韓国で人気の「ヒバオイル」は、そもそもの語源はこのヒバです。
ヒノキよりもっと香りの強い木です。いかにもヒノキより頭が良くなりそうです。
私は弁当箱に、青森で買ったヒバ材の「曲げわっぱ」を20年ほど使っていますが、いまだに良い香りがします。
でも、いっこうに頭は良くなりません。

今回は、チョット硬い話になりましたが、森林・樹木を少しでも知っていただくために・・・・・
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| 森林 | 21:43 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

コメント有難うございました。

樹木や森林の事って知ってるようで、
知らない事多くて勉強させてもらい
ました。
奥が深いんですね。
スギと聞くだけで鼻がムズムズする
花粉症の方も多いようですが、、。

ヒノキの香りや木のぬくもりって
良いですよね。
ほっとして癒されます。

| あみ・もと | 2011/12/05 17:41 | URL |

Re: 木のぬくもり

TYさん

いつもありがとうございます。
樹木については、私たちにとっても知らないことばかりです。
少しの垣根を超えると、急に世界が広がるものですね。
ベテランは、葉っぱを見なくても、遠くから木の樹姿(幹の曲がりよう、枝の着き具合、葉の色具合など)を見ただけで樹種が判断できるようです。かえって葉だけをみると迷ってしまいます。
クルミ材(ウォールナッツ)は高級で、ヨーロッパではマホガニーなどともに家具によく使われますが、クルミ材をよく見たことがありません。
木工をやってらっしゃる方は、木材にこだわりを持っていて、難しいです。

今日はありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

| つしまひのき | 2011/12/04 21:47 | URL |

木のぬくもり

いや~、私も勉強になりました。知らなかったと言うことは樹木に関しては小学生レベルですかね。
 松と杉の違いは知っているつもりでしたが、トドマツとスギ、ヒノキとヒバの違いは見分けがつきません。
前回のアケビとムベだって知りませんでした。
 今朝のTV番組で、高級車の内装にクルミの木を薄切りにしたものを使っていると放送していましたが木の細工や木目は憧れるものがありますね。

| T Y | 2011/12/04 16:58 | URL | >> EDIT

Re: 樹木の葉

順天姉さん

コメントありがとうございます。
さきほどアップしたばかりで、早速のコメント、大変嬉しいです。

樹木を、全体の木としては見ても、葉っぱをまじまじと見ることはあまりないと思います。
ぜひ、森林や樹木に興味を持っていただきたいと思います。
弟さんの組子細工、素敵ですね。

私も一度はやってみたいものの一つです。
大工や木工などの職人さんの、木に対する思い入れ、こだわりは尋常ではないですよね。
天然素材の木は、素材のの一本一本が同じものはなく、木目、性質を見極めて仕事をしておられます。
近代工業のようにコンピュータにはできない仕事ですね。

これからも宜しくお願いいたします。
弟さんの仕事についても伺えたら幸いです。

| つしまひのき | 2011/12/03 23:18 | URL |

はじめまして。
とっても勉強になりました。
アメリカ人の義弟がアメリカで組子細工の職人をやってます。木に対して熱く語るのですが、こちらはちんぷんかんぷんでした。この記事でもっと勉強しなくては~と思いました。
また伺います(*^_^*)

| 順天姉 | 2011/12/03 22:32 | URL |















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