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ながさきの森林(もり)

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森林の放射能汚染と除染(2)

この記事は、「森林の放射能汚染と除染(1)」(一つ前)を先に読んでいただければ幸いです。

【除染】
いずれは森林から下流域へと移動するであろう放射性物質を食い止めるための除染。何ができるのでしょう。

今後、汚染の度合いがまったく進まないと仮定すると、今ある汚染物を完全に取り除いて処分すること、つまり森林の樹木、落ち葉などの地衣物をすべて取り除くことが考えられますが、これは物理的にも、森林が無くなってしまうというリスクからも現実的ではありません。

福島県の林業研究センターでは「森林にくいを打って中心となるポイントを設定。その周辺で・・・
(1)落ち葉を片付ける
(2)樹木の枝を地上7~8メートルの高さまで切り落とす
(3)樹木の3~5割を間伐する
(4)樹木を全て伐採する
――の4段階で線量を測定」するとしています。

(1)は、落ち葉・落枝を取り除けば一定の効果はあると思いますが、森林の地衣物を取り除けば、雨水の浸透能力が弱まり、土砂の流出や崩壊のリスクは高まります。
(2)は、葉が付いている樹冠(じゅかん:樹木の頭の枝葉の部分)を伐採することで、そこの汚染物が取り除かれます。しかし、樹冠を伐採されるものが針葉樹であれば、ほとんどが生き残れないでしょう。広葉樹であれば再生が可能です。
樹冠

(3)の強めの間伐は、3~5割を間伐すると同じ割合だけ除染が可能です。人工林(じんこうりん:人の手で植えられた森林。スギやヒノキなどの針葉樹が主)の多くが、必要な間伐が行われずに荒廃しているのが実情です。
多めの間伐をすることは、人工林の課題の解決策とも両立しますので、有効かと思います。

下の図は、一般的な間伐の意義を示したものです。

間伐
   (林野庁・社団法人全国林業普及協会「間伐のしおり」から)

(4)は前述のとおりですが、必ずやっておくべき調査項目と思います。

まだ調査をはじめようとしている段階ですので軽々しいことはいえませんが、私としては、放射性物質が最も多く付着していると考えられる葉を取り除くために、広葉樹は樹冠の除去、針葉樹は強めの間伐を行うことが現実的ではないかと思います。
除染の一番の課題は、処理した汚染物(上記の場合、樹木、枝、葉、落ち葉など)の処分方法です。地域を限定しても、処分の量は膨大になるでしょうから処分方法の確立が必要でしょう。
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