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ながさきの森林(もり)

--------------------------------------------------森林、長崎、対馬、興味深い出来事、ヘェ~な話

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森からの恵みをお届けします・・・森林のめぐみ展示会(3月10日)

森林のめぐみ展示会
日時:3月10日(土) 10:00~16:00
場所:長崎市浜の町 ベルナード観光通り


長崎県内各地域の森で働く仲間たちが、都市の人々との交流を通じて、森林の大切さ、森林(もり)づくりへの理解、山村の現状、森林・林業の役割を知ってもらうために、展示会を行います。
多くの皆様のご来場をお待ちしています。

2009年の展示会の様子です。(新しい写真が見つかりませんので)
DSCF3160.jpg

県内の7地域の「林業研究グループ」が、各々森林の恵みを持ち寄ります。
「林業研究グループ」とは、山村地域の森林・林業に携わる中核的担い手で構成された、やる気のあるグループです。
展示の予定は、椎茸、生花用の葉物、ぎんなん、木工品、山の恵みの細工、苗木などです。
即売もいたします。

DSCF3161.jpg
生花用の葉物。山のどこにでもある枝葉も立派な生花になります。
綺麗な模様の東彼杵特産のハランは一押しですよ。

DSCF3162.jpg
ヒノキを使った木工品は香りと実用性に富んでいます。
ヒノキのまな板は、毎年大人気です。

森林のめぐみ展示会
日時:3月10日(土) 10:00~16:00
場所:長崎市浜の町 ベルナード観光通り


DSCF3164.jpg
木を使ったインテリア小物は売れ筋です。

DSCF3165.jpg

森林のめぐみ展示会
日時:3月10日(土) 10:00~16:00
場所:長崎市浜の町 ベルナード観光通り


DSCF3166.jpg
珍しい木で作った置物は珍品です。

DSCF3170.jpg
毎回人気で、直ぐに売り切れる原木生椎茸。↑

木工教室で実用品を作ってみませんか?↓

DSCF3159.jpg

森林のめぐみ展示会
日時:3月10日(土) 10:00~16:00
場所:長崎市浜の町 ベルナード観光通り


皆様、ぜひ足をお運びください。


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| 森林 | 14:18 | comments:10 | trackbacks:0 | TOP↑

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森で働く「マシン」たち・・・高性能林業機械

森林での伐採作業現場では、人の手で行う作業がほとんどで、究極の3K(危険、汚い、きつい)職場と言われてきました。
鋸(チェーンソー)で木を伐り倒し、枝を切り落とし、一定の長さに切りそろえ、林道まで運び出し、トラックに積んで木材市場へ運ぶ。
昔は、これらの作業のほとんどを、人の手と馬などの力を使って行われてきました。
ですから、大変危険で汚れるし、重労働であったのです。
近年の技術開発は目覚ましく、人に代わって作業をする機械が多く開発されています。
傾斜や林道・作業道までの距離などの現場条件で異なりますが、一例を紹介します。

ハーベス
ハーベスタ 西海市の森林で
立っている木を掴んで伐採し、それを掴んだまま水平に倒し、枝を切り払い、幹をコンピュータ制御で望みの長さに切りそろえる機械です。
林業の伐採現場での人身事故は、倒れた木の下敷きになったり、ほかの木が邪魔して倒れない木を倒そうとして下敷きになったりするケースが多いので、このマシンを使うとそのような事故は無くなります。
写真の機械は、ロングリーチと呼ばれるタイプで、アームの黒い部分が延びて、少々離れた木の伐採もできます。
ベースになるマシンは、建設用の油圧ショベル(バックホー)でアームにアタッチメントを取り付けています。

プロ1
プロセッサー  対馬市の森林で
伐採(伐倒)作業はできませんが、枝を切り払い、幹をコンピュータ制御で望みの長さに切りそろえる機械です。
伐採作業を除くと、ほかはハーベスタと同じ作業をします。
これも、バースマシンは油圧ショベルで、アームに作業用アタッチメントを取り付けています。
写真をよく見ると、運転席のドアが開いています。何かの弾みで、オペレータが振り落とされたり、切断した木が運転席に飛び込んだりするので、ドアは必ず閉めなくてはなりません。レッドカード!!

プロ2
同上
のこくずが勢いよく飛び散ります。

スイング1
スイングヤーダ  対馬市の森林で
アームの先端にケーブル用の滑車を、マシン本体にウインチを装備しています。
林の中の立木にケーブルを張り、ケーブルに伐採した木を吊るして引き寄せます。
この機械もベースマシンは油圧ショベルです。


スイング2
同上
2本の木を吊るして引き寄せています。

フォワーダ
フォワーダ
材木をトラックが入る林道まで運びます。
荷台の上のアームに木材を掴むグラップル(ログローダ)というものがついており、これで木材を掴んで荷台に載せたり、トラックに積み替えます。
写真はクローラー(キャタピラ)タイプですが、タイヤ(ホイール)のタイプもあります。
昔は、馬で引っ張っていました。

これらの機械を使うことのメリットは、
①伐採作業中の人身事故を防止できる
②重労働を回避できる
③作業員の快適性を確保できる(運転席は冷暖房完備)
④作業の効率、スピードを高められる
などがあります。

また、労働強度が飛躍的に軽くなるので、林業作業現場への女性の進出が目覚しく、マシンのオペレータが女性のところは結構多いのです。特に若い女性が。
しかし、これらのマシンはいずれも2千万円ほどですから、どこにでも直ぐには導入できないので、長崎県林業協会というところでは、県の助成を受けリース制度を作って、マシンの貸し出しをしています。


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| 森林 | 18:11 | comments:10 | trackbacks:0 | TOP↑

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韓国の森林の表情・・・한국의 삼림

韓国の森林についてのお尋ねもあったので、韓国シリーズの3弾目絞めとして、韓国の森林について。
実は、木材事情などの調査には入ったのですが、森林そのものには近づいてませんので、よい写真などがありません。撮れただけ少し紹介します。ご容赦ください。

ここは、釜山から車で1時間ほど西に行った港湾都市「鎮海(チネ)」。
鎮海は日本統治時代、日本海軍の軍港でもあったところで、日本でも見られないくらい桜が多く「桜祭り(軍港祭り)」は国内に限らず有名です。因みに、私の義母、儀祖父母は終戦まで軍属としてこの地に住んでいたので、桜のこともよく知っていました。

鎮海港にはロシアからのカラマツの輸入木材を見に行ったのですが、特徴的な山も見られました。(サムネイルをクリックし拡大画像を見てください)

鎮海
住家の直ぐ上から送電鉄塔が立っている付近まで松と広葉樹群です。緑の中に紅葉または落葉しているのは、ナラやクヌギです。
クヌギ、ナラはシイタケ栽培の原木として使われます。
その上の緑は松の人工林(人の手で植えられた林)で、スギも混じっていると思われます。
更にその上、頂上まではほとんど樹木が育たない岩石地(石英斑岩)で草や小潅木でしょう。枯れています。
対馬の山も同じ地質でよく似ています。

クヌギ
里山のマツ林(人工林)です。枯れたように見えるのはクヌギ林で、シイタケ栽培に使います。
韓国にはクヌギ林が多く、日本はクヌギの苗を育てるための種として、その実(どんぐり)を輸入しています。

白樺
ここは、歴史的な寺院などが多い韓国を代表する観光地「慶州(キョンジュ)」から北へ少々行ったところの、マツ林ですが、手前の方は白樺林です。
このあたりは、松茸が多く取れるそうで、立ち入り禁止の看板がいたるところに立っていました。

造林地
マツの植林予定地です。まだ苗木は植えられいません。緑の筋は苗木を植えるために、草や潅木を切り払い集積したものです。日本では「地拵(ぢごしらえ)」と呼んでいます。

海岸林
韓国東海岸のマツの防風林です。マツ林の向こう側が海で、手前の農地を風や潮の害から守っています。
韓国にも松くい虫が広がりつつあり、マツが多いので、その対策には政府も大変気を使っているようです。

韓国=禿山というイメージでしたが、禿山の時代からすると森林の造成にずいぶん力を入れていると感じました。
韓国では、道路を壊して元の川の復元や、干潟の復旧など、自然回帰への取組みが活発です。
さて、日本はどうなんだ。森林に限っては、今は優位な立場ですが、いつ追い越されるのか?


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| 森林 | 15:45 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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みどりのトンネル・・・お気に入りの小道

長崎県雲仙市小浜町、小浜温泉から少し北へ行ったところにある細い道。
春から夏にかけて、両側の木々の葉が道を覆い、さながらトンネルのようです。
緑は太陽をさえぎり、涼しい風が吹きぬけます。

緑のトンネル

この道は、昭和2年から昭和13年まで島原鉄道の愛野駅~小浜温泉をつないでいた小浜鉄道跡なのです。
現在は県道201号線として利用され、その涼しげな雰囲気が人気です。


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| 森林 | 13:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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資生堂のTSUBAKI・・・五島のツバキ(椿)

12月3日付「樹木の葉・・・広葉樹と針葉樹」の中で、五島のツバキ油についてチョットだけ触れました。東京と長崎が生産量のトップ争いをしているということを書きました。

さて、資生堂の「TSUBAKI(椿)」というヘヤケヤ商品は皆さんよくご存知ですね。女性なら10人中10人が知っている(使ったことのある?)トップブランドですね。
この「TSUBAKI」が今年6月から「新TSUBAKI」として大々的にキャンペーンを行っていましたが、この「新TSUBAKI」に五島の椿油が使われているのです。
中村県知事を資生堂の副社長が訪問し、新製品の紹介をしたという報道はまだ記憶に新しいところです。

TSUBAKI
天然の厳選椿オイル=五島椿油

資生堂は1年以上も前から、地元市町や生産者などと出荷体制などの協議を進めていましたが、ようやく調整が整ったということです。
有名ブランド商品に五島椿油が使われるようになったということは、同じ県民として大変喜ばしいことです。

五島列島も水産業を除くと産業らしい産業もなく、例にたがわず過疎化はとどまるところを知りません。
椿を島の活性化に役立てようと、五島市も新上五島町も振興計画を作って、椿の森を増やそうと行動を起こしたところでしたし、住民の椿植林活動や、植林に使う苗木を増やす活動が盛り上がってきたところでしたので、資生堂の新TSUBAKIは、まさしくグッドタイミングでした。

県の試験場(農林技術開発センター)でも五島の椿油を研究しており、「オレイン酸含有率95%の世界最高水準のツバキ油搾油技術を開発し製品化するとともに、ツバキ実の高生産性ツバキ林誘導技術を開発」しています。

資生堂も椿油を使うだけでなく企業のCSR活動として、五島での社員による椿の植林活動も展開しています。
資生堂の社員の皆さんが継続的に五島を訪れることで、経済的効果だけでなく、協働で自然を守っていく意識の高揚や、都会との交流などで、地域の活性化が進むといいですね。

新TSUBAKIが五島の椿油を使っているのなら、旧TSUBAKIは、どこの椿油を使ってたかって?
・・・それは企業秘密なので言えません。・・・どうしても?・・・・・・・・・・・・・・・・言えません。

関連記事
新上五島町公式情報
報道「日報ビジネス」


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| 森林 | 18:00 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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樹木の葉・・・広葉樹と針葉樹

11月20日付けの「森林の放射能汚染と除染(1)」で樹木の葉について触れました。
樹木には、広葉樹と針葉樹があることはよく知らていますが、その双方の葉が実際にどのようなものか、私の偏見で選んだ樹木で葉を見てみましょう。
なお、この記事は小学生程度を対象に書いていますので、大人の方には当たり前の部分も多くて失礼かと思いますが、お許しください。

まず、広葉樹です。

ブナ
ブナ(落葉広葉樹)

ブナは代表的な落葉広葉樹です。冬には葉が落ちるので、落葉樹です。
広葉樹の葉の典型で、幅が広く葉脈が中央に一本通っていて、両側に魚の骨のように数本の筋が分かれています。
この葉脈を通って水や養分がすみずみに運ばれます。

ヤブツバキ
ヤブツバキ(常緑広葉樹)

ヤブツバキは常緑ですので、冬場に葉が落ちてしまうことはありませんが、常緑樹と言っても葉が落ちないわけではありません。年間を通して少しずつ葉が落ちて新しい葉と入れ替わっています。形や葉脈の形態は基本的に落葉広葉樹と同じです。落葉樹に比べ葉の厚さは通常厚いですね。

因みに、ヤブツバキは、温暖な地域の海岸近くに多く生育しており、長崎県でも県内のいたるところで見られますが、特に五島列島をはじめとする島々に多く、実からツバキ油が絞られます。
長崎県のツバキ油は五島列島でそのほとんどが生産されますが、生産量は東京都(大島椿)と全国1位を競っていることはあまり知られていません。このところ、長崎県と東京都とが一年おきに1位を取っているようです。これは、実のなる樹木に共通しますが、ツバキの実も、豊作の年と凶作の年が隔年で訪れますので、豊作の県(都)が1位になるということです。

次に針葉樹です。針葉樹は針のような葉を持つのでこの名前があります。では見てみましょう。
まずは、針葉樹の代表格、松です。

クロマツ
クロマツ(針葉樹)

写真で葉先が欠けてしまいましたが、九州で松と言えばクロマツで、お正月の飾りには欠かせませんので、よくご存じですね。葉は針状で、先は鋭くとがっています。
アカマツも形状はほぼ同じですが、幹が赤茶っぽく、クロマツより寒冷地(緯度が高いor標高が高い)に生育し、マツタケ(松茸)は赤松林に発生します。

トドマツ
トドマツ(針葉樹)(北海道大学樹木園で撮影)

トドマツやエゾマツは九州にはありませんので、私も北大の樹木園で初めて見ました。
短い針状の葉が密に着いています。先っぽの黄緑色は新芽です。
針葉樹も枝の下の方から落葉し、枝先に新芽が伸びていきます。

スギ
スギ(針葉樹)

九州での人工林(人が人為的に造った林)のほとんどがスギ林です。天然林では、屋久杉と呼ばれる屋久島のスギは有名ですね。
スギの葉も針状ですが、短くて元の方がやや太くなってます。葉先は尖っていますが、やや内側にカールしていますので、手で掴んでもそれほど痛くはありません。

スギは花粉症の原因として忌み嫌われています(私も花粉症)が、最近、花粉が出ない(または少ない)品種が開発されて、植え替える取り組みが始まっています。写真の茶色の部分が雄花で、ここから花粉が放出されます。
杉は成長が早く、真っ直ぐな木材ができ、加工しやすく、日本建築に欠かせないので、他の樹種に代えられないのです。

ヒノキ
ヒノキ(針葉樹)

ヒノキは針葉樹ですが、葉は針の様な形をしていませんので、手で掴んでも痛くはありません。全体的に平べったく、鱗片状のエレメントの集合体になっていて、美しい幾何学模様を見せてくれます。
 ヒノキの木材は社寺(神社仏閣)の建築材として平城宮の時代(それ以前)から不可欠な存在です。西暦500年当時、機内地方には天然のヒノキ林が多く存在していましたが、遷都のたびに都の建設用材を確保するために伐採され、ヒノキの天然林は奥山林の一部を除いて無くなってしまいました。今あるヒノキ林は、その後植えて育てた人工林です。
日本人はヒノキの香りがが大好きです。ヒノキ風呂なんて憧れの的ですよね。
今、韓国ではヒノキブームで、日本から多くのヒノキを輸入しています。韓国では、日本統治時代に杉が植えていたようで点々と見ることができますが、ヒノキは見たことがありません。ヒノキから抽出した「ヒバオイル」は大変な人気です。ヒノキの香りは子供の頭を良くするとの評判です。教育熱心な韓国らしいですね。

ヒバ
ヒバ(針葉樹)これも北大樹木園で撮影

ヒノキの仲間で、ヒノキによく似ていますが、九州にはない北の樹木です。
韓国で人気の「ヒバオイル」は、そもそもの語源はこのヒバです。
ヒノキよりもっと香りの強い木です。いかにもヒノキより頭が良くなりそうです。
私は弁当箱に、青森で買ったヒバ材の「曲げわっぱ」を20年ほど使っていますが、いまだに良い香りがします。
でも、いっこうに頭は良くなりません。

今回は、チョット硬い話になりましたが、森林・樹木を少しでも知っていただくために・・・・・

| 森林 | 21:43 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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森の恵み一個めっけ!!・・・アケビ

森では時々プレゼントがもらえます。特に秋は。
10月下旬、この日は、アケビでした。

アケビ

アケビの仲間で、こんな風に割れない「ムベ」の方が長崎県には多いと思います。我が家の庭にも野鳥が運んできた種から大きくなった「ムベ」がたくさんの実を付けてましたが、庭木に巻きついて木に負担がかかるので伐ってしまいました。

森の中でこんな実を見つけると、うれしいですね。
ゼリー状の甘い実をいただいたら、野鳥の代わりにそこらじゅう、プッ、プッと種をまき散らします。
恵みをいただいたお礼です。

| 森林 | 05:17 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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森林の放射能汚染と除染(2)

この記事は、「森林の放射能汚染と除染(1)」(一つ前)を先に読んでいただければ幸いです。

【除染】
いずれは森林から下流域へと移動するであろう放射性物質を食い止めるための除染。何ができるのでしょう。

今後、汚染の度合いがまったく進まないと仮定すると、今ある汚染物を完全に取り除いて処分すること、つまり森林の樹木、落ち葉などの地衣物をすべて取り除くことが考えられますが、これは物理的にも、森林が無くなってしまうというリスクからも現実的ではありません。

福島県の林業研究センターでは「森林にくいを打って中心となるポイントを設定。その周辺で・・・
(1)落ち葉を片付ける
(2)樹木の枝を地上7~8メートルの高さまで切り落とす
(3)樹木の3~5割を間伐する
(4)樹木を全て伐採する
――の4段階で線量を測定」するとしています。

(1)は、落ち葉・落枝を取り除けば一定の効果はあると思いますが、森林の地衣物を取り除けば、雨水の浸透能力が弱まり、土砂の流出や崩壊のリスクは高まります。
(2)は、葉が付いている樹冠(じゅかん:樹木の頭の枝葉の部分)を伐採することで、そこの汚染物が取り除かれます。しかし、樹冠を伐採されるものが針葉樹であれば、ほとんどが生き残れないでしょう。広葉樹であれば再生が可能です。
樹冠

(3)の強めの間伐は、3~5割を間伐すると同じ割合だけ除染が可能です。人工林(じんこうりん:人の手で植えられた森林。スギやヒノキなどの針葉樹が主)の多くが、必要な間伐が行われずに荒廃しているのが実情です。
多めの間伐をすることは、人工林の課題の解決策とも両立しますので、有効かと思います。

下の図は、一般的な間伐の意義を示したものです。

間伐
   (林野庁・社団法人全国林業普及協会「間伐のしおり」から)

(4)は前述のとおりですが、必ずやっておくべき調査項目と思います。

まだ調査をはじめようとしている段階ですので軽々しいことはいえませんが、私としては、放射性物質が最も多く付着していると考えられる葉を取り除くために、広葉樹は樹冠の除去、針葉樹は強めの間伐を行うことが現実的ではないかと思います。
除染の一番の課題は、処理した汚染物(上記の場合、樹木、枝、葉、落ち葉など)の処分方法です。地域を限定しても、処分の量は膨大になるでしょうから処分方法の確立が必要でしょう。

| 森林 | 14:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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森林の放射能汚染と除染(1)

【汚染】
「東京電力福島第1原子力発電所の事故で計画的避難区域に指定された福島県川俣町山木屋地区の森林で、福島県林業研究センター(同県郡山市)が樹木を実際に伐採するなどして除染の効果を探る実証試験を行い、得られたデータを基に、住宅近くの山林を除染する方法の開発する。」(11月21日 日経、共同配信)という。

福島県の森林が県全体面積に占める割合は、全国の森林に同じく約7割です。
したがって、単純に考えると、福島原発から放出され地上を汚染したた放射性物質の約70%が森林に舞い降りたことになります。
さらに、森林の樹木は、高さがあることや大気中の物質を吸着しやすい葉というものを持っていることから、流れて行く物質を捕捉し、それ以上に森林に蓄積されたのではないかと考えられます。

さて、森林は、二酸化炭素を吸収し光合成で炭素を有機化合物に変え体内(幹、枝、葉)に蓄えることで、温室効果ガスを減らし地球温暖化防止の役割を果たしていることはよく知られています。この二酸化炭素吸収は、葉の総面積が大きいほどCO2を多く吸収し、光合成が活発に行われるため、その機能が高いのです。

同様に放射性物質についても、葉の表面積が大きい樹木ほどそれを多く吸着すると考えられます。葉で捕捉できなかった物質は地表に降り、リターと呼ばれる腐食していない落ち葉や落枝が吸着します。もちろん、樹木の枝や幹でも吸着します。これらの総量が森林の汚染量ですね。そして降雨による雨水で次第に河川に流出し、さらに下流の田畑や住宅地に至ります。

里山
森林は生活を守るバッファゾーン(農村と里山:対馬市)

つまり、森林での放射性物質の貯留は、森林が持っている雨水を蓄え洪水を防止する働きと同じく、放射性物質の洪水を防止するバッファの役目をしているといえます。

<<続きは、「森林の放射能汚染と除染(2)」へ>>

| 森林 | 16:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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絵のような・・・写真 北アルプス

 前回アップした「アルプス一万尺、小槍の上で」の写真を加工しましたので、見てください。

 加工ツールは、CASIOの IMAGING SQUAREを利用しました。超簡単で、よくできたソフトです。

笠ヶ岳
笠ヶ岳(油彩風)

紅葉
紅葉(色鉛筆風)

| 森林 | 18:32 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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